予備免許 (Provisional License)

一 予備免許の付与及び指定事項
総務大臣は、申請書を審査した結果、審査事項のすべてに適合していると認めるときは、次の事項を指定して予備免許を与える(電波法第8条第1項)。
ただし、包括免許再免許及び所定の無線設備を使用する無線局簡易な免許手続においては、予備免許は省略され、審査事項に適合していると認めるときは、所定の事項を指定して免許が与えられる。
ア 工事落成の期限
イ 電波の型式及び周波数
ウ 呼出符号(標識符号を含む。)、呼出名称その他の総務省令で定める識別信号(以下「識別信号」という。)
エ 空中線電力
オ 運用許容時間
上記指定事項のうちウの総務省令で定める識別符号は、次のとおりである(電波法施行規則第6条の5
ア 呼出符号(標識符号を含む。以下同じ。)
イ 呼出名称
ウ 無線通信規則第19条に規定する海上移動業務識別、船舶局選択呼出番号及び海岸局識別番号
このように識別信号とは、無線局を識別するための符号、名称、信号等のことをいい、従来からある呼出符号標識符号呼出名称や国際方式の船舶局識別、海岸局識別、船舶局選択呼出番号、海岸局識別番号を総称するものである(電波法第8条第1項第3号)。
電波法及びこれに基づく命令(規則)においても特に限定する場合の他は、すべて識別信号という語で規定してある。
二 予備免許の意義及び効果等
予備免許は、無線局の免許申請内容のすべてが、申請書記載どおり実現し、落成後の検査に合格したならば、免許(電波法第12条)を与えるという意味をもつ行政処分である。したがって、予備免許は、免許に至る手続の一段階にすぎず、まだ、免許をうけたものではないから、検査の準備のための試験電波の発射を行う場合を除き、電波を発射し運用することは禁じられている。違反者は、免許を受けない無線局の運用者と同列に罰せられる(「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」電波法第110条第2号、電波法第114条)。
無線局予備免許が与えられたときは、申請者に対し、その旨の文書をもって通知される(無線局免許手続規則第10条)。
三 予備免許附款
予備免許免許、許可又は無線局の登録には、条件又は期限を付することができる(電波法第104条の2)。
ここで条件、期限とは、行政処分の効力を制限するためにつけられるもので、これを「附款」という。
ただし、この条件や期限は、行政庁の恣意にわたる公権力の行使を防ぐために、「公共の利益を増進し、又は予備免許免許、許可若しくは無線局の登録に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものに限り、かつ、当該処分を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。」との規定をおいている(電波法第104条の2第2項)。
四 審査結果による免許の拒否
総務大臣は、申請を審査した結果、審査事項に不適合なものがあると認めた場合は、免許を拒否し、申請者に対してその旨を理由を記載した文書をもって通知する(無線局免許手続規則第14条)。したがって、その場合は、申請の事実が消滅するので、無線局の開設を更に希望するならば、別に新しい申請書を提出しなければならない。
五 予備免許の内容の変更
予備免許を受ければ、公示に着手し、予備免許の際の指定事項に準拠して、申請書の内容を実現するわけであるが、すべてが必ずしも最初の計画どおり進むとは限らない。よって、電波法では、総務大臣の許可を受けてこれらの計画を変更しうる途を開いている。なお、これらの変更を許可する場合の審査については、予備免許のときの審査に準じて行うものと解釈されている。

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