SSB通信方式(Single Side Band Communication System)

通話又は情報を伝えるために搬送波を信号によって振幅変調すると、搬送周波数の上下に信号に応じた側波帯を生じ、搬送波周波数より上側の部分を上側波帯、下側の部分を下側波帯という。側波帯は、信号を伝えるために必要なものであって、搬送波は信号には関係がない。そこで送信側は片側の側波帯(通常上側波帯)のみを送り、受信側でこれに搬送波に相当するものを加えれば通信が可能となる。この方式を単一側波帯(SSB)通信方式という。上下の側波帯全体を送る両側波帯(DSB)通信方式に比べ次の利点がある。

所要周波数帯幅が半分ですむ。例えば1通話路の電話の場合は3kHzである。
送信電力が少なくてすむ。同一の尖頭電力で信号対雑音比を比べた場合8倍(9dB)良くなる。即ち50WのSSB送信機が尖頭電力400WのDSB送信機に相当する。
選択性フェージングに対して通話の品質低下が少ない。
受信側では、搬送波再生手法(微弱搬送波への同期手法)が必要であるが、通話周波数を分割反転する方式を用いれば傍受困難となり、秘密性を持たせることができる。  
SSB通信方式としては、現在、次の4種類がある。
低減搬送波方式(Reduced Carrier System)
一つの変調周波数の平均電力より、18dB±2dB低減した搬送波を同時に送信する方式で、この方式によると、受信側において、自動周波数調整(AFC)が可能になり、また、容易に自動利得調整(AGC)を行うことができるので、通信品位を高めることができる。
②全搬送波方式(Full Carrier System)
側波帯の電力とほぼ同程度のエネルギーを有する搬送波を添加して送信する方式で、このため従来のDSB受信機で受信することが可能である。したがって、DSB局とSSB局とが混在する場合、この方式で両局間の通信を行うことができる。
抑圧搬送波方式(Suppressed Carri-er System)
搬送波を一つの変調周波数の平均電力より40dB以上抑圧して送出する方式である。したがって、搬送波の電力は、極めて微少で、発射電力のほとんどが情報の伝送に寄与するので、最も効率的な伝送方式である。受信側では、局部発振器の発振周波数を調整して送信側と同期をとる。現在、海上移動、陸上固定・移動ともすべてこの方式によっている。
④独立側波帯方式(Independent Sideband System)
それぞれ独立した側波帯を並べて2 CH~4CHを伝送する多重方式で、これにパイロット周波数を付加して送出し、受信側では、このパイロット周波数を基準として同期をとる。短波国際回線の多重方式は、すべてこの方式を採用しており、ISB方式(Indepen-dent Side Band)とも呼ばれている。 (電波法施行規則第4条の2第1項第1号)

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